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水の風

by chieco tada

わたしが育った家の周りは

田植えの時期になると辺り一面が水の世界になる。

あまりの美しさに見とれてしまう。

息子も喜び、田んぼのあぜ道をどこまでも歩いていく。

途中で振り返れば、360度水の世界。まるで水上都市。

2人で見とれていると、遠くから風が吹いてきた。

水が風に吹かれて揺れる。

だんだんとこちらにやってきて、わたしたちの体を通り抜けていった。

しばらく2人で放心状態だった。

「いまの、すごかったね。」

息子がぽつりといった。



chieco tada
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